利用しないまま放置している土地のことを「遊休地(ゆうきゅうち)」と呼びます。土地を所有していると固定資産税がかかるため、ビジネスに有効活用できないか考えている方もいるのではないでしょうか。

土地の敷地面積や立地などによっては、ビジネスに活用できる可能性が大いにあります。当記事では、遊休地とは何か説明した上で、ビジネス活用事例やメリット・デメリットにくわえて、活用前に押さえておくべきポイントを解説します。

 

1. 遊休地とは?

「遊休地(ゆうきゅうち)」とは、利用されておらず「遊ばせている・休ませている」土地のことです。土地の活用計画が立てられていない、利用予定がないといったケースが多く見られます。遊休地は、更地のままおかれているケースが一般的です。土地所有者にとって、土地売却の際にすぐに市場に出せるというメリットがある一方、敷地の管理作業や維持費用の発生といったデメリットも少なくありません。

遊休地とよく似た言葉に「遊休土地(ゆうきゅうとち)」があります。遊休土地は、土地取得後2年以上利用されていない状態で、かつ国土利用計画法の遊休土地制度で指定された条件を満たした土地に適用されます。遊休土地に指定されると、6週間以内に所有地の活用または処分の計画を届け出なければなりません。届け出た計画に対して都道府県知事から助言や勧告があった場合、従わなければ地方公共団体などへの売却協議が行われます。

出典:e-GOV「昭和四十九年法律第九十二号 国土利用計画法」

出典:国土交通省「遊休土地制度」

 

2. 遊休地を活用する前に押さえておきたいポイント

遊休地のビジネス活用を考える際、押さえておくべき重要なポイントがいくつかあります。以下3つのポイントを確認し、土地の有効活用を図ることがビジネスを成功へと導く鍵です。

・土地の広さ

土地活用の選択肢は、土地の広さに大きく左右されます。例えば、ビジネスホテルの建設を考える場合です。都市部に限らず、観光が盛んな地方でもビジネスホテルの需要は高いものの、土地の広さが30〜40坪程度では大規模な建築は難しくなります。ビジネスホテルの投資採算を考えると200室以上が望ましいため、少なくとも300坪程度の土地が必要です。遊休地の活用を考える際は、土地の広さに応じた適切な活用方法の選択が重要となります。

・賃貸需要の有無

賃貸物件を建てる場合、周辺エリアの賃貸需要があるかどうかの確認が不可欠です。例えば、交通アクセスが悪い郊外では、建築可能な広さの土地を持っていても賃貸物件としての需要が低い可能性があります。需要のない活用方法を選ぶと投資が無駄になり、赤字を生み出しかねません。土地周辺地域の市場調査を徹底し、需要に合った活用方法を選択しましょう。

・用途地域の確認

土地の用途地域は、どのような建物が建てられるかを左右します。用途地域は、住宅・商業・工業などの活用用途を適正に配分するための区分です。都市計画法や不動産登記法により、建てられる建築物の高さや大きさ、土地の用途が規制されています。例えば、低層住居専用地域では、大規模な商業施設や高層マンションの建設はできません。したがって、土地の用途地域を確認し、法規制に適合する活用方法を選択する必要があります。

出典:e-GOV「昭和四十三年法律第百号 都市計画法」

出典:平成十六年法律第百二十三号 不動産登記法」

以上のポイントを踏まえ、土地の特性や法規制、周辺環境を考慮した上で、最適な土地活用方法を選びましょう。土地の有効活用は、計画的なアプローチによって成功へとつながります。

 

3. 遊休地のビジネス活用事例とメリット・デメリット

遊休地をビジネスとして活用する際は、事業の特徴とポイントに対する理解が重要です。

ここでは、駐車場経営・アパート経営・トランクルーム経営といった代表的な3つの土地活用事例と、各土地活用プランのメリット・デメリットを解説します。

 

3-1. 事例1|駐車場経営

遊休地活用の方法として、駐車場経営は低リスクで始めやすい選択肢です。普通乗用車1台につき6.0m×2.5m以上あれば駐車マスとして認められるため、狭小地や変形地でも運営を始められます。また、駐車場は必要に応じて更地に戻しやすく、将来的な活用法の転換も容易です。

出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」

駐車場の形式は、大別して月極駐車場とコインパーキングの2種類です。月極駐車場は、住宅地といった自宅の駐車場としての需要が見込まれる場所に適しています。初期費用が少なく、簡易な整備でも営業が可能です。コインパーキングは、都心部など一時駐車の需要が高い場所に向いています。設備投資費用が必要ですが、適切な立地を選べば高い収益性が期待できます。

駐車場経営の主なメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 初期費用が低くても始められる
  • 狭小地や変形地でも活用できる
  • 転用が容易なため将来的な活用方法の変更がしやすい
デメリット
  • 一般的な不動産投資に比べると収益性が低い
  • 土地の利用効率が低い
  • 節税対策には利用できない

駐車場経営は手軽に始められる一方で、収益性や土地利用の効率には限界があります。適切な立地と形式を選び、効率的な運営を目指しましょう。

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3-2. 事例2|アパート経営

アパート経営も、遊休地を有効活用して安定した収入を得る方法の1つです。アパート経営は戸建ての賃貸住宅経営とは異なり、複数の部屋を同時に貸し出せます。そのため、1部屋が空室になっても他の部屋が埋まっている状況が作りやすく、収入を安定させることが可能です。また、土地に建物があると固定資産税の軽減など節税効果も期待できるでしょう。

適切な立地であれば、アパート経営は高い収益性を持ちます。特に人口が増加している地域や、公共交通機関へのアクセスが良好な場所は、入居希望者の募集が容易です。狭小地や変形地でも、工夫次第で魅力的な物件を建設できます。

アパート経営の主なメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット
  • 複数の部屋を賃貸に出すことで収入が安定しやすい
  • 固定資産税の軽減・相続税評価額の低下など、節税効果が期待できる
  • 複数階で建設すれば、土地の面積以上に有効活用できる
デメリット
  • 建設コストが高い(数千万円~数億円)
  • 空室リスクがあるため、事前の綿密な調査と適切な経営戦略が必要になる
  • 管理や維持に手間とコストがかかる

アパート経営は、適切な立地選びと管理戦略が成功の鍵です。入居者の需要を捉え、効率的な運営を行うことが重要となります。

 

3-3. 事例3|トランクルーム経営

トランクルーム経営は、コンテナハウスや建物を用いて収納スペースを提供し、賃料収益を得る方法です。特にEC利用者の増加やテレワークの普及に伴い、トランクルームの需要は高まっています。不整形地でも活用可能で、比較的初期投資費用を抑えやすい点が魅力です。

運営方法には、自分自身ですべての業務を行う方法や運営会社に委託する方法、土地賃料として地代を得る方法などがあります。低コストで立地に左右されにくいため、田舎の土地でも競合が少なければ大きなチャンスがある方法です。ただし、地方には倉庫がある家も多いため、周辺の需要を入念にリサーチする必要があります。また、コンテナ型の場合、「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」には設置できません。

出典:大阪府「用途地域による建築物の用途制限比較表」

トランクルーム経営の主なメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
  • 初期投資費用が賃貸経営に比べて安い
  • 修繕の必要が少ない
  • 立地の制約が少なく、不整形地でも活用できる
デメリット
  • 温度・湿度の調整が必要な場合がある
  • 盗難や破損、災害のリスクがある
  • 運営のノウハウが必要になる

トランクルーム経営は、需要の理解と適切な運営方法の選択が成功の鍵です。土地オーナー自身がリスクを理解して正しく対策を講じれば、遊休地の有効活用が可能になります。

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まとめ

遊休地は、利用されずに「遊ばせている・休ませている」土地のことです。遊休地の立地や敷地面積によっては、駐車場やアパート、トランクルーム経営といったビジネスに活用できる可能性があります。

ただし、遊休地をビジネス活用する際は土地の広さだけでなく、賃貸需要の有無や用途地域の確認が重要なポイントです。上記で挙げたアパートや駐車場以外にも、デイサービスやシェアオフィス、ビジネスホテルなど多様な活用方法があります。

それぞれの特徴を理解した上で、自身のニーズに合った活用方法を検討しましょう。

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