お金のかからない土地活用5選!少額で始められる活用アイデアも紹介
「親から土地を相続したものの、自己資金がないため活用できていない」「十分な自己資金がなくても土地をうまく活用できる方法はないか」…。建築資材の高騰化や金融機関によるローン審査の厳格化が目立つ近年、このように悩む土地オーナーの方は、非常に多くいるのではないでしょうか。
基本的に土地活用には資金が必要とされるものの、できる限り出費を抑えて活用できる方法はいくつか存在します。そこで今回は、お金のかからない土地の活用方法と土地活用のアイデアについて詳しく説明します。
1.お金のかからない土地活用とは?
近年では、物件の建築に欠かせない資材の高騰が続くほか、金融庁の監視強化や不正融資問題によって金融機関における融資の審査にも厳しい傾向が見られます。フルローンでの土地活用は特に厳しく、実質不可能と言っても過言ではありません。
そのため、「土地を保有しているにもかかわらず、手元に十分な資金がなく活用できていない」という方も増えているのではないでしょうか。
しかし、方法によっては資金なしでも土地を活用することは可能です。また、少額投資で大きな利益を手にできる可能性もゼロではありません。資金がないために土地を手放してしまう前に、「お金のかからない土地活用」について理解を深めておくとよいでしょう。
2.お金のかからないおすすめの土地活用5つ
資金なし・少額投資でも始められるおすすめの土地活用には、下記の5つが挙げられます。
- 暫定利用する
- 等価交換をする
- 定期借地方式で活用する
- 土地信託で活用する
- 建設協力金方式で活用する
ここからは、それぞれの活用方法を概要やメリット・デメリットとともに詳しく紹介します。「お金のかからない土地活用をしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
2-1.暫定利用する
暫定利用とは、建物の所有を目的としない方に対して土地を貸し出して賃料を得る土地の活用方法です。建物所有以外の目的としては、「コインパーキング・月極駐車場」「資材置場」「野立て看板用地」などが挙げられます。
暫定利用での土地活用は、土地所有者と借主が「土地一時使用賃貸借契約」を締結し、借主から毎月使用料を受け取るのが基本です。使用料は、賃料や地代よりも低くなることが一般的であるため、高い収益性は期待できません。
しかし、土地所有者が契約を比較的簡単に解約できることから、最適な土地の活用方法が見つかるまでのビジネスモデルとして、または少しでも資金を増やすための一時的なビジネスモデルとして活用されることが特徴です。
2-2.等価交換をする
等価交換とは、不動産会社やデベロッパーと土地の一部を共有し、不動産会社やデベロッパーが建てた建物の毎月賃料の一部を得るという方式です。
土地上に建物を建築するのは不動産会社やデベロッパーとなるため、土地所有者は建築費を負担する必要がありません。まずはデベロッパーがイニシャルコストをすべて支出したのち、竣工後に土地・建物の一部を等価で交換します。
したがって、最終的には不動産会社やデベロッパーと土地所有者双方が土地・建物の所有者になるということです。土地・建物の最終的な所有権割合は、土地価格と建築費の関係によって細かに異なります。
建築費は不動産会社やデベロッパーがすべて負担することから、失敗リスクが極めて少ない点がメリットです。一方、相手との権利関係が複雑になりやすく、場合によってはトラブルが生じる可能性がある点にも注意が必要です。
2-3.定期借地方式で活用する
定期借地とは、事業者や法人・個人と借地契約を締結し、一時的に土地を貸し出しながら定期的な地代を得る方式です。
定期借地方式での土地活用であれば、借主が自らの負担で建物を建てるため、土地所有者が初期費用を準備する必要は一切ありません。加えて、長期にわたって安定した収入が得られる点も大きなメリットです。
また、定期借地方式には具体的に「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があります。種類によって契約期間の原則や更新・解約の条件、さらに土地返還時の条件が異なるため、慎重に検討しましょう。
2-4.土地信託で活用する
土地信託とは、土地所有者が信託銀行や信託会社に土地を信託し、収益の一部を配当金として受け取る方式です。
分かりやすく説明すると、「不動産投資のプロに土地を運用してもらう」というもので、投資の世界で言う「投資信託」と同様の方式となります。資金なしでも始められるほか、土地活用・不動産投資に関する知識が不要である点がメリットです。
しかし、そもそも収益が見込める土地でなければ採用されないほか、収益よりも信託報酬が下回った場合の損失は土地所有者が負担しなければならないというデメリットもあります。
また、土地信託方式は「賃貸型」と「処分型」の2種類に分けられます。処分型は契約期間の満了後に土地を売却しなければなりませんが、土地信託による付加価値を得てから売却できる点は魅力です。しかし、「土地を所有しておきたい」という方であれば契約満了後に土地が返還される賃貸型が推奨されます。
2-5.建設協力金方式で活用する
建設協力金方式とは、テナントが土地所有者に建物の建築費を無利子または低金利で貸し付け、土地所有者はその資金でテナントの希望に沿った建物を建てて貸し出す方式です。主にコンビニやスーパー、ファミレスをはじめとした事業用建物の建築に活用されるもので、「リースバック方式」とも呼ばれています。
テナントから支払われた建設協力金は、双方の間で締結された賃貸借契約の保証金として転換され、建物の建築後は土地所有者が受け取れる毎月の賃料から少しずつ相殺していくこととなります。
土地所有者にとっては、建築コストなしで土地活用ができるほか、万が一テナント側から中途解約をされても建設協力金の返済義務は免除されるためリスクが少ない点もメリットです。
しかし、テナントが希望する仕様の建物となることから、テナント退去後のリーシングが難しく、場合によっては土地所有者の負担で改修しなければならない可能性があることも覚えておきましょう。
土地活用や駐車場経営でお悩みの方
タイムパーキングにご相談下さい!
3.お金のかからない土地活用のアイデア
ここまで紹介した5つの土地活用方法は、すべて「土地貸し」という形式です。しかし、土地を所有する方の中には、余計なトラブルを避けるためにも「自己活用したい」と考える方も多くいるでしょう。
最後に、少額投資で始められ、かつ自分でできる土地活用プランを3つ紹介します。
3-1.トランクルーム経営
トランクルーム経営は、レンタルボックス・コンテナハウスなどを設置して、利用者から毎月賃料収入を得る方法です。土地の広さやボックス単位の規模によっても費用は異なりますが、基本的に膨大な初期投資が必要ないことから、自己経営方式で行うことが一般的となっています。
アパートやマンションなどの住宅が密集するエリアはトランクルームの需要が特に高く、安定収益を得られる可能性が高いでしょう。また、近年では副業としてせどりや物販といったビジネスを展開する方も増加しており、全国的に需要が伸びています。周辺にトランクルームがないエリアでは特に高い需要が見込めるため、しっかりとリサーチしたうえで決めるとよいでしょう。
3-2.看板の設置
所有している土地に看板を設置し、看板広告を出稿したい企業と契約を結んで毎月掲載料を得るという活用方法もあります。設置する看板のサイズによっても異なるものの、多額の資金が必要なく、利回りを確保しやすい点がメリットです。また、変形地や狭小地といった使い勝手が良いとは言えない土地でも有効活用できます。
一方で、設置時にはあらゆる法令に則る必要があるほか、収益性が非常に低く、周辺の草刈りといったメンテナンス・管理を定期的に行わなければならないデメリットもあります。
また、ロードサイドなど見通しの良い立地でなければ広告が目立たないため、たとえ看板を設置してもなかなか企業が募らない可能性があります。基本的には看板事業を行う企業からの打診で設置するケースが大半となるため、「万が一打診があった場合」のみの選択肢として検討しましょう。
3-3.駐車場経営
駐車場経営とは、名前の通りコインパーキングや月極駐車場として土地を整備して貸し出し、利用者が支払うパーキング代や月極駐車場代を収益とする方法です。
特にコインパーキングの場合、駅前やオフィス街など需要のあるエリアは高い収益性が期待できます。初期投資は設備投資費用やアスファルト舗装費用のみであり、形態によってはほぼ更地でも運用できるでしょう。維持費用も少額で、初めて土地活用を行う方にもおすすめです。
また、駐車場経営には「自主管理方式」「管理委託方式」「一括借り上げ方式」の3種類に分けられます。なかでもおすすめなのが、土地を駐車場運営会社に貸し出し、運営会社から毎月賃料を得る一括借り上げ方式です。駐車場の収益や稼働率に関係なく収入を得られるため、安定した収益を得たい方に適しています。
現在所有の土地から
カンタン収益診断!
お電話でもご相談下さい!
電話受付時間9:30~18:30
まとめ
土地活用の方法によっては、資金なしまたは少額投資でも問題なく始められます。資金なし・少額投資でも始められるおすすめの土地活用法には「暫定利用」「等価交換方式」「定期借地方式」などが挙げられます。できる限り自分で運用したい場合は「トランクルーム経営」「看板の設置」「駐車場経営」などの土地活用もよいでしょう。
特に、駐車場は幅広いエリアで需要が高まっており、収益性も十分に期待できます。駐車場の経営では、収益や稼働率に左右されず毎月安定した収益を得られる「一括借り上げ方式」での管理がおすすめです。