個人で駐車場経営をする場合、事前に確認しておきたいことの1つが「経費」です。駐車場経営において、経費として計上できる費用を理解しておけば、節税効果が期待できます。ただし、中には経費として認められないものもあるため注意が必要です。

当記事では、駐車場経営における経費確認の必要性にくわえて、開業時・運営時・撤去時それぞれのシーン別にかかる経費を解説します。経費計上できない費用も把握し、確定申告を擦る際に間違いがないようにしましょう。

 

1.駐車場経営で経費の確認はなぜ必要?

副業として小規模で駐車場経営を行っている場合、所得合計が20万円以上あれば確定申告をする必要があります。所得とは、駐車場収入から必要経費を引いた利益にあたる金額です。例えば、40万円の収入があるケースでも経費が30万円あると所得は10万円になり、この場合は所得合計が20万円以下になるため確定申告書の提出は不要です。

また、給与所得者以外の個人事業主が駐車場経営を行う場合は、駐車場所得とほかの所得の合計が48万円を超えると確定申告の義務が生じます。所得2,400万円以下は、48万円の基礎控除が適用されるため、所得48万円以下なら確定申告は必要ありません。

出典:国税庁「No.1199 基礎控除」

確定申告を行うときには、駐車場経営にかかる経費を申告すれば所得額を下げることが可能です。所得額が下がると、所得税や住民税などの税金負担が軽くなります。節税を考えている方は、駐車場経営で経費計上できる項目を知っておくことが大切です。

 

2.駐車場経営にかかる経費

駐車場経営の際に、経費計上できる費用を以下3つのシーンに分けて紹介します。

  • 駐車場経営を始めるときの経費
  • 駐車場の運営にかかる経費
  • 駐車場を撤去するときにかかる経費

経費計上できる項目を知っておくと、確定申告の際に便利です。駐車場経営の経費が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

2-1.駐車場経営を始めるときの経費

駐車場経営を始めるときにかかる初期費用の中で、経費になる項目は以下の通りです。

●土地整備費用

駐車場経営を始める際は、まず更地を駐車場として利用できるように整備します。土地整備費用とは、舗装費・車室区画整備・車室番号表示・車止めなどの設置費用です。アスファルトで舗装するか、ロープでライン引きするかなど整備方法によって土地整備費用は大きく異なります。

●看板設置費用

コインパーキングの場合は、宣伝のための看板や料金案内板、満室表示などが必要です。月極駐車場であれば看板を設置しないケースもありますが、問い合わせ先を明記した看板は用意した方がよいでしょう。看板設置費用は経費として計上できます。

●設備費用

設備費用とは、料金精算機・照明・フェンス・防犯カメラ・ロック板またはゲート機などの駐車場設置の購入費用です。料金精算機やロック板またはゲート機は、高額な支出となるため、確定申告での申告を忘れずに行いましょう。

 

2-2.駐車場の運営にかかる経費

次に、駐車場の運営費用の中で経費計上できる項目を7つ紹介します。

●税金

駐車場経営には、固定資産税・都市計画税・消費税などがかかります。固定資産税と都市計画税は、所有している土地に毎年かかる税金です。税金によっては経費計上できないものもあるため、経費になる税金の種類を正しく把握しておくことが大切です。

駐車場経営にかかる税金はいくら?計算方法や節税対策を解説

●減価償却費

10万円を超える設備は、耐用年数で分割した費用を減価償却費として計上できます。具体的には、料金精算機やゲートの購入費、アスファルト舗装費などの高額な設備費用です。ただし駐車場経営を目的に購入した土地の費用は、減価償却費に計上できないため注意が必要です。

駐車場経営の減価償却、これで完璧!経費計上と節税対策をわかりやすく解説

●管理費

駐車場を自分で管理するのが難しい場合、管理を不動産会社や駐車場運営会社などに外部委託するケースが少なくありません。管理を委託する場合には管理費用、駐車場管理者を雇っている場合には人件費が必要になり、どちらも経費に計上できます。

●修繕費

フェンスや照明の破損、ゲートが正常に動かないなどで修理が必要なケースでは、修理にかかった費用を修繕費として経費計上が可能です。

●保険料

駐車場経営をするときは、万が一に備えて各種保険への加入が不可欠です。駐車場経営に関する保険は、火災保険や施設賠償責任保険などさまざまな種類があります。毎月かかる保険料は、経費として計上可能です。

●水道光熱費

駐車場では、24時間点灯させなければならない場内照明や料金精算機、満室表示などの設備があるため、毎月の電気代が高額になります。また、駐車場内のトイレや水道を設置している場合、水道代も必要になるでしょう。電気代と水道代どちらも水道光熱費として経費計上すると税負担が軽くなります。

●消耗品費

駐車場で使用する主な消耗品は、駐車券・レシート用紙・電球などです。一つひとつの消耗品は高額ではありませんが、すべての消耗品にかかる費用を経費計上すると、節税につながるでしょう。

 

2-3.駐車場を撤去するときにかかる経費

駐車場経営を辞めるときには、撤去費用がかかります。駐車場を撤去するときにかかる経費は以下の通りです。

●原状回復費

土地を借りて駐車場経営を行っていた場合には、辞めるときに使用していた土地を元の状態に戻す必要があります。契約内容によってどの程度まで原状回復するのかが異なるため、契約書類を確認しておくことが重要です。

原状回復に必要な看板撤去費や舗装工事費などの高額な費用も経費計上できるので、確定申告のときに忘れずに計上しましょう。

●契約者への対応費

コインパーキングであれば必要ありませんが、月極駐車場の場合、契約者に駐車場経営を辞めることを説明する必要があります。契約者への説明や契約終了に必要な手続きは、一般的に書面を郵送して行います。郵送費をはじめとした契約者への対応にかかった費用は、経費として計上可能です。

●違約金

駐車場経営者の自己都合で経営を辞める場合、駐車場契約者や管理会社へ違約金の支払いが発生する可能性があります。違約金発生の有無は契約内容によって異なるため、事前に契約書を確認することが大切です。

違約金を支払う必要がある場合には、忘れずに違約金を経費に計上しましょう。

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3.駐車場経営の経費として計上できない費用は?

経費が多いほど節税対策につながるため、できるだけ多くの費用を経費として計上しようと考えている方もいるでしょう。しかし、接待費や飲食代など、駐車場経営に関係のない費用は経費に計上できません。

また、駐車場経営にかかる費用の中でも、経費として計上できない費用があります。経費計上できない費用を把握して、正確に確定申告を行いましょう。

 

3-1.土地購入費

土地を購入して駐車場経営をする場合、土地購入に必要な費用は経費として計上できません。土地購入費用は、10万円以上かかるケースが大半です。10万円以上かかる設備の費用は、一般的に減価償却費として経費に計上できます。

しかし、土地は時間が経過しても、土地そのものの価値が変化しません。時間の経過や使用によって価値が減少しない固定資産は、減価償却の対象となりません。また、土地には耐用年数が存在しないため、減価償却できないと認識しておきましょう。

 

3-2.仲介手数料

駐車場経営を目的とした土地を不動産会社経由で購入した場合、仲介手数料が発生します。仲介手数料は、購入価格の3~5%に約6万円プラスした金額が一般的です。土地の購入金額によっては、大きな支出になる可能性があります。

しかし、所得税法によって仲介手数料は、土地購入の際の購入手数料に分類されます。そのため、仲介手数料は土地取得費に計上され、経費として計上できません。

出典:国税庁「賃貸用の土地建物を購入した際に支払った仲介手数料の取扱いについて」

 

3-3.固定資産税の清算費

土地を購入する場合、1月1日の時点での土地所有者は、固定資産税を支払う必要があります。そのため1年の途中で土地を売ったケースでも、納税義務者は元の土地の所有者になります。

しかし、売主が所有権のない土地の固定資産税を支払い続けるのは不公平と言えるでしょう。そのため、1年の途中で土地を売買したときには、売主と買主との話し合いによって、固定資産税の負担割合を決定します。固定資産税を日割りにして平等に負担し合うことを「固定資産税等の精算」と呼びます。

固定資産税は引き渡し日を基準として日割り計算し、買主が売主に支払うのが一般的です。売主に支払う金額は土地取得費に分類されるため、経費として計上できない費用です。

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まとめ

駐車場経営を始める際に経費計上できる費用としては、土地整備費用・看板設置費用・設備費用などが挙げられます。また、運営するにあたって日々発生する費用の中では、管理費・保険料・修繕費・水道光熱費・消耗品費のほか、税金の一部や減価償却費などが経費として計上可能です。

万が一、駐車場経営を辞めて撤去するとなった場合は、原状回復費・契約者への対応費・違約金は経費として認められます。ただし、土地購入費や仲介手数料、固定資産税の清算費などは、駐車場経営にかかわる費用であっても経費計上できないため注意しましょう。

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